小径自転車、アレックス・モールトンのあるサイクリング・ライフ&オリジナルグッズをご紹介しています。

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真夏の夕食後、クーラーの効いたリビングで猫たちとくつろいでいたら、
「9月中旬にね、スイスでアレックス・モールトンのミーティングが
あるらしいけど、行かなぁい?」と言い出す大澤。
さらに「日本から行く人、誰もいないみたいなんだよね・・・」と続ける。
どうやら代理店の方から、ご案内いただいた様子。
「だけど仕事が・・・」と言いながら、
なんとか都合つかないのか?と二人してカレンダーを凝視。
およそ1ヶ月後の9月16日、私たちはハイジの国に向けて旅立ってしまった。

 スイス・ミーティングへの参加を決定した後、スイスのモールトンクラブ会長のマッシモさんから、2日間にわたるミーティング・スケジュールの案内メールをいただいた。開催エリアはレ・マン湖近くのエーグルという小さな街。初日の9月17日には、フォンデュ・パーティで親睦を深めましょう!とのこと。そして2日目は、エーグル近郊を70kmほどツーリングしましょう!というプラン。フォンデュを食べた事の無い私は、それだけでも大はしゃぎ。パーティで何を着ようかな?などと盛り上がっていた。そう!私は、自転車を自分たちで運ぶ海外輪行の現実から、目を背けていたのである。国内の輪行ですら、たった1回しかやったことがないのだから、無理もない。しかも、途中から自転車の重さに耐えかねて千鳥歩きになった私。見かねた大澤が、二袋を担いで移動したのを憶えている。

 「荷物は、最小限にしなくちゃ」と私を真顔で見つめては繰り返す、大澤。「オレはどうやって、2台の自転車を運べばいいのか・・・」と本気で悩んでいる。二人分の荷物、サイクリング道具、自転車・・・ドアtoドアのパック旅行じゃないし、本当にこれだけの荷物を持って移動できるのだろうか?いつになく深刻な表情の大澤・・・。さらに機内持ち込み、手荷物の積載重量も工夫しなくては、追加の旅費がかかって仕方がない。あれこれ考えても仕方ないのでまずは、海外輪行に耐えられそうな段ボールのバイクパックを購入。実際、飛行場では乱暴に扱われるだろうから、大切なモールトンが潰れないように会社の駐車場でパッキングのリハーサルをした。大澤は、私が余裕で入れるほど大きな段ボール箱(1170×370×750mm)を二つ並べて押しながら、夜の街角をズンズン歩きまわり「うん!キミがスーツケースとかを持ってくれさえすれば大丈夫!なんとかなる!」と力強く頷いた。「でも、ちょっと、その段ボール、大きいなぁ・・・」と思ったが、輪行の規格?品である。「なんとかなるでしょー!ヨ〜ロレイヒ〜」と、私も応えた。


 自宅から関西空港へのアクセスは非常に便利。まず、家から歩いて10分のO-CATへ行き、そこからリムジン・バスに乗れば関空の国際線搭乗フロアまで連れて行ってくれる。自転車は到底、タクシーには積めそうにないし、O-CATまで歩くのも大変だし、ミニのピックアップの荷台に乗せて運ぶことにした。が、出発当日の朝、荷台にスーリーのサイクルキャリアを付けたままでは荷物が全部、載らないことが判明!仕方なく2往復して、すべての荷物をO-CATに運び込んだ。


 「はぁ、なんとか運べたよ・・・」とバスの切符を購入して乗り場に並んでいると、係員が仏頂面でバイクパックを指さして言った。

 「ちょっとお客さん、この段ボールはダメダメ。バスには積めないよ、こーんなデッカイのは無理!バスはねぇ、旅客用だから。ふん!こんなの貨物でしょ、か・も・つ」

 「なぬー?!」と一瞬、ブチッと脳裏でぶっとい何かが切れる音がしたところ、間髪を入れず「数日前、バス会社に自転車は積めるかと電話で、確認しました!」と大澤が言い放った。

 「えっ!サ、サイズも言いましたか?」

 「もちろん1170×370×750mmって言いましたよ。さぁ、速く積んでください!」と、自ら段ボールを持ち上げ、強引に積み込もうとする大澤。

 「ほっ、本当ですか?」と言いながら、恐る恐る手を貸してしまった係員。まさに勝敗ありの一コマであった。大澤の気迫が、係員の反撃を許さなかったのである。こうして私たちは無事バスに乗り込み、遥かスイスに向けて、大阪からの第一歩を踏み出すことができた。

 関西空港からは、まずJALとアリタリア航空の共同便で、イタリア・マルペンサへ12時間のフライト。トランジットの後、スイスへと渡る。ジュネーブへの到着予定時間は、9月16日の夜11時すぎ。翌日の夕方には、世界各国からスイスに集まったモールトニアのみなさんとフォンデュパーティだ。私は飛行機の座席で、マッシモさんやショーン・モールトンさんと話すために考えた挨拶の英作文を読み返し、彼らとの会話に備えた。

海外のみんなは、どんな風にモールトンを楽しんでいるんだろう?窓の外は雲海・・・この空はアルプスへと続いているのだ。


※アレックス・モールトンのロゴ使用については、 ショーン・モールトン氏から「おみやげ」として了承を得ています。

予告
スイス・フランス・イタリア輪行は、数回のシリーズに分けてお届けします。
深夜のジュネーブに到着した私たちを待っていたのは?

次回のレポートにご期待ください。

日程 2005/9/18
天候 晴れ時々くもり
走行距離 70km
コース エーグル駅前〜ワールドサイクルセンター〜ジュネバ湖〜エーグル駅前
時間 約7時間(休憩等を含む)