小径自転車、アレックス・モールトンのあるサイクリング・ライフ&オリジナルグッズをご紹介しています。

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アレックス・モールトン・ミーティングが開催される前日の深夜、
やっとの思いでスイス・ヴィルヌーブのホテルにたどり着いた私たち。
翌朝、部屋の窓から臨んだレ・マン湖の静かなたたずまいに、しばし感嘆。
ホテルの食堂でパン、チーズ、ハム&ヨープレイトというハイジのような
朝食を済ませた後、まずは街をお散歩してみることに。
世界のモールトニアが集う、フォンデュ・パーティは夕方からの予定。
どんな一日になるのかな?心おどるスイスの一日が始まった。

 雨にけむるヴィルヌーブの街を、二人してあてもなく散歩。駅前のメインストリートは、可愛らしい旗がいっぱい立てられていて、まるでおとぎの国に迷い込んだような気持ちになる。夕方からスタートするモールトン・ミーティング1夜目の待ち合わせ場所は「エーグル」という隣りの町。売店のおばさんに行き方を訊ねたら「バスで20分ほどだよ!」と教えてくれたので、停留所でしばらくバスを待って、乗り込んだ。
 バスはまずレ・マン湖沿いの道に出て湖岸を行き、どこまでも続く平野の一本道を走っていく。「なんにもないね〜」と言いながら、雨上がりの空と広大なトオモロコシ畑を眺めていたら、大澤が「あっ!モールトンやっ!」と窓の外を指さして言った
 見ると、多分、男女のカップルがモールトンで私たちのバスと同じ進行方向に走っている。「日本人かな?」「どうやろ?」と言いながら目で追っていたら、進路が変わって見えなくなってしまった。

 エーグル駅前でバスを降りた私たちは、この辺りの地理や自転車道を確かめるためインフォメーションへ。自転車道が載っている地図をもらってから、露店のリンゴをかじりつつ、街をぷらぷら。ワイン城という愛称で有名な丘の上のエーグル城へと歩き、古いお城の中を見て回ったり、ぶどう畑を眺めたりして、ぼんやりと過ごした。

 待ち合わせの1時間前、エーグル駅前のカフェでお茶をしながら辺りを伺っていたら、なんとなく駅前広場に人が集まってきている。バスの中で見かけたモールトンも見えたので「間違いない!」と、私たちもゆっくりと「日本から来た、大澤ですぅ〜」とか言いながら人の輪に入っていった。
 みんなが「よく来た!よく来た!」とせっかく英語で話してくれたのに・・・。大澤は英語よりもイタリア語のほうが得意だから「ボンジョルノ〜!」とやってしまい、その途端にみんなフランス語とかイタリア語とか、好きな言葉で話しだしてしまった。
 私はとりあえず英語で「いや〜、昨夜着いたところで、ほんとにも〜」とか言って笑っていたら、スイス・モールトンクラブの会長のマッシモさんがやってきて「ようこそ〜」と迎えてくれた。

 「さぁ、行きましょう」とうながされて、バラの絵が描いてある可愛らしい汽車に乗り込んだ。車内はソファーが設えてあって、まるで日本のお座敷列車のような雰囲気。それに、どうやら貸切の様子。「座って!座って!」と薦められたソファーに大澤と二人してちょこんと座っていたら、あっという間にクラッカーとかワインがサーブされ、発車と同時にグラスをかかげて乾杯に。

「もう、パーティは始まっているのね!すってきぃ〜!」と盛り上がっていたら、汽車はどんどん山の中へ。「ゴーッ」っともの凄い音を立てながら、山を登っている。林やトンネルを抜けて、見晴らしのいい丘にさしかかった時、みんなが「ハイジ〜!」と声をあげ、私たちに向かって微笑んでくれた。
 窓の外では、本物のユキちゃんが草を食べている。空がとてもとても近い。アニメでしか見たことのない、あの素晴らしい風景がそのまま目の前に広がっている。「なんてロマンチックなんだろう・・・」と、私はしばらくポーッとしてしまった。


 6時前に「レ・ディアブルレ」という山の上の小さな村に着いた。車中でおしゃべりしていた女の人が「ディアブルレっていうのは、小悪魔達という意味よ。この村にまつわる、とても有名なお話があるの」と教えてくれた。その小悪魔達と呼ばれる村は、本当にため息がでるほど可愛らしい「おとぎの国」だった。
 駅に着いた時、ショーンさんに「日本から預かってきましたよ」と緑本(That's Moulton-魅惑の小経自転車アレックス・モールトン)を手渡すと、彼は早速ページをペラペラとめくって「いいね〜!」と嬉しそうに笑ってくれた。そして「ケイコのニュー・シリーズは、今、がんばって作ってるからね!もーちょっと待っててね!」とポケットからオーダーリストを出して続けた。
 たくさんのお花が飾られている木造の家の前に着くと、マッシモさんが「入って!」とみんなをエスコート。この可愛らしい建物がフォンデュ・レストランだと分かった時は、嬉しくて本当に飛び上がってしまった。

 木の椅子に腰掛けると、きっとマッシモさんが手作りしたのだろうパーティ・メニューがテーブルセッティングされていた。とてもささやかだけど、とても贅沢な、優しい人柄が伝わる演出に思わずじぃぃ〜ん。みんなで「モティ」というフォンデュをオーダーして待っている間に、マッシモさんが英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語の4カ国語で挨拶をした後「遠く日本から、友人が来てくれましたよ」と、大澤と私を改めて皆さんに紹介してくれた。

 私たち二人は挨拶をした後「日本からのお土産です」と「アレックス・モールトンロゴ入りの瓦せんべい」を皆さんにお配りした。
 「瓦っていうのは、屋根の上の・・・」とおせんべいの説明をして和んでいたら、今度はマッシモさんが「みんなから大澤さんに」とプレゼントをくれた。思いがけない気遣いに、またまたじぃぃ〜ん。「なんて優しい人たちなんだろう・・・。来てよかったぁ〜」と心から思った。
 みんなの注目の的になったのは、日本から持参した緑本だった。「この人、知ってるよ。前にミーティングで一緒に走ったよ」と、写真を指さしたり「あっ!僕が載ってるぞ!ほらっ、これ、若いときの僕!」「何て書いてあるの?」「このモールトン、すごく古いね」などなど、緑本がテーブルのあちこちを廻って会話をはずませていた。
 ショーンさんは、大澤がミニのピックアップに乗っているのを知っていて「新型ミニをどう思う?」と渋い顔を作って聞いていた。「あれは、BMWだからミニじゃないですよ」と大澤が言うと、ニッコリ笑って、大澤に握手を求めていた。

 スイス、イギリス、イタリア、フランス、ドイツ、アメリカ・・・そして、日本。こんなにもたくさんの国で、こんなにもいい人たちの間でモールトンは愛されている。日本のミーティングでも思うけど、モールトンに乗っている人は、穏やかな人が多いように思う。オーナー同士の輪もまた、モールトンの魅力だと実感した。
 食事を終えた後は、また汽車に乗ってエーグルの駅前に戻った。私は、時差ぼけとワインのせいで車中で寝てしまったようだ。エーグル駅から、私たちが宿泊しているヴィルヌーブのホテルまでは、メンバーの方が車で送ってくださった。
 ホテルの入口で「また明日!いっしょに走りましょうね」と、笑顔でお別れして、走り去るバンを見送った。
  明日は、いよいよ、みんなとの70kmツーリングだ。「さぁ、明日に備えて自転車の点検しようぜ!」と大澤は私の肩をたたいて、嬉しそうに言った。

初めて食べたフォンデュは、とっても美味しかった〜。
明日は早起きしてツーリング!早く時差ボケが直ったらいいのに・・・。

予告
スイス・フランス・イタリア輪行は、数回のシリーズに分けてお届けします。
翌日は世界のモールトニアたちと70Kmツーリング!

次回のレポートにご期待ください。